東京都府中市、九段下のWEB制作会社Maromaroのブログです

2025.04.07

shun

ドメインを改めて調べるとあまりにもビジネスな世界が繰り広げられていた件

こんにちは。
Maromaro デザイナーのshunです。

Web業界に身を置いてウン年経ちますが、お恥ずかしながらドメイン対しこれまで深く考えたことがありませんでした。
「.jpが日本のサイトだな〜」、「comとかもよく見るよね〜」、くらいの認識だったのですが、
Forbes Japanの「カリブの小さな島が「ブームの棚ぼた」で年間数十億円を稼ぐ理由」の記事を読んで、たまたま国に割り当てられた2文字のドメインによって、莫大な利益を生んでいる島があることに驚きました。

また、ドメインは先に取得していた人から買い取る、売買が行われているらしく、最高額は、1億3,500万USドル(約142.3億円)で落札された事例もあるようです。
ドメインがこんなビジネスになっていること、ある意味投資先として機能していることに興味を持った私はドメインの森へ足を踏み入れるのでした。

ドメインとは?

ドメイン名とはURLやメールアドレスで使われる識別番号のことで、家に例えるとインターネット上の住所のこと。

URLで言うと「https://○○/」の○○の部分がドメインです。
インターネット上の住所はIPアドレスと呼ばれる数字の羅列で表現されるのですが、IPアドレスを人間でも分かりやすい文字列にしたものがドメインになります。
URL全体構造の解説はこちらの記事にてご紹介しています。

今回は、ドメインの中でもTLD(トップレベルドメイン)についてのお話です。

トップレベルドメインの種類

分類としては下記の4種類に分けられます。

gTLD(分野別トップレベルドメイン)

gTLDとは、世界中の誰でも取得できるドメインで、あらゆる種類のサイトに利用することができます。
例).com .net .info .org 等

新gTLD(新分野別トップレベルドメイン)

新gTLDとは、gTLDの中でも2012年以降に作られたドメイン名のことです。gTLDは人気がありすぎて取れない時にこちらになることが多いそうです。
例).shop .blog .site .app等

ccTLD(国別トップレベルドメイン)

ccTLDは、ISO(国際標準化機構)で規定された2文字の国コードで表現されるドメイン名です。冒頭で紹介した爆売れしたアンギラの.aiはこれに当たります。
例).jp .us .gb 等

sTLD(スポンサー付きトップレベルドメイン)

sTLDとは、特定の業種や事業目的のために用意されたドメインのことです。博物館や航空運輸業界、協同組合や旅行関連業界などがsTLDの対象となっており、条件を満たさなければ使うことができません。
例).travel .museum .gov

2025年ドメイン取得率ランキング

世界の半分弱が.comであることに驚きました、、。なんの根拠もないですが、日本のサイトに多いだけかな~と思ってました。世界標準だったなんて。。
人口が多い国のドメインが多く使われているわけではないところも個人的には気づきでした。

国別ドメインがサイトの特色を表す例

アンギラの.aiのように業界によって人気のあるドメインとか流行とかあるのかな?と思って調べてみたらザクザク出てきたのでご紹介します。

.mu(モーリシャス)

muはmusicやmuseumを連想させることから芸術分野のサイトによく使われているようです。

.tv(ツバル)

tv はテレビやブロードバンド業界に人気のドメインです。AbemaTVなども.tvが使われています。

.ch(スイス)

チャンネルを想起させることから〇〇チャンネルという名称のサイトでも使われるようです。また、英単語がchで終わるものが多いため、ドメインと合わせて英単語1字とするハックもあり、注目を集めているようです(chur.chなど)

.gg(イギリス ガーンジー島)

eスポーツ業界のサイトに多く、試合終了後の「Good Game」と称え合う文化(ミーム?)の頭文字がggであることから使用されています。

.io(インド洋 Indian Ocean)

データの入出力を意味するInputとOutputの略ということもあり、米スタートアップ企業の多くがこのドメインを使用しているようです。(○○.comが大体取得されていてその次にイケてるドメインということだそうです)

その他

.cd(コンゴ民主共和国) .fm(ミクロネシア連邦) .dj(ジブチ)、などドメインだけ見ても何関係のサイトなのか理解できるものが人気があり、国の枠組みを超えていろんなところで使用されていることがわかりました。

ドメイン売買事例

ドメインを調べるきっかけとなった売買ですが、世界のドメイン売買事例を集めてみました。

CarInsurance.com: 74億5,500万円

2019年にQuinnStreetが落札した、car(自動車)Insurance(保険)ドメインです。
自動車保険業界ってそんなに儲かってるんですね…。

Voice.com: 45億円

2019年にブロックチェーンベースのソーシャルメディアプラットフォームBlock.oneに取得されました。これだけシンプルなのは確かに需要が高そうな感じがしますね。

Internet.com: 27億円

1995年にNetcom Online Communications Services Inc.が落札しました。当時最も高価なドメインとして歴史に名前を刻みました。その後、2021年に非公開の入札で売却されたようです。

note.com:[非公開]円

日本の事例として、2019年に皆さんご存知のサービス「Note」も.muだったのを.comにするためドメインを購入しました。

海外バイヤーとの価格交渉までこちらの記事で明かされていて、どれだけ「短い文字.com」を取るのが大変なのか思い知らされました。
それだけSEO的にも、サービスとしてのブランディング的にも価値があるってことですね。

大余談

私のイニシャル.msもあるかな?と思って探してみるとイギリスの海外領土・モントセラト島に割り当てられていました。
年間¥5,830だったのでいろんな単語で取得して、来たる「.ms大流行・暴騰時代」まで持っておこうと思います。

これにて一攫千金得られたらモントセラト島に移住し、カリブ海を眺めながらシャンパンを傾け余生を過ごしたいと思います。

以上、Maromaro Shunでした。

【引用・参考記事】
人気ドメインランキングを一挙公開【2025年版】
ドメイン名にどれだけ価値があるか?1億円以上で売買されたドメイン20選
あなたの知らないドメインの世界