2024.03.11
Photoshop 2024最新! AIで早い! 不要なものを削除する方法
こんにちは。Maromaroのfutaです。
「邪魔なヤツは消す」 「バックの人間は全員いなかったことにして」 「足は削って」
なんだかおっかない言葉が飛び交っていますが、全て写真加工時の指示のお話です(制作現場あるある)。
不要なものを削除ってクリエイティブの永遠のタスクだと思いませんか。
筆者の写真加工の実務は制作部(主に雑誌)から始まり、芸能人のお顔のシワやシミを消したり、モデルの足を細くしたり、時には絆創膏を消すこともありました(もちろん、加工不要の方もいらっしゃいます)。
削除したものの跡をコピースタンプツールなどで、いかに背景と違和感無く馴染ませるかが腕の見せ所で、ちまちまと時間もかかっていました。が、近年は塗りつぶし機能が強化され自動化が進み、現在はAIが搭載され、無かったものを作り出し、写真修正のクオリティと手間の革新を実感します。
今回は、AIを搭載したPhotoshopでさらに進化した、新しい「不要なものを削除」するテクニックについていくつかご紹介します。
削除ツール
2023年5月に搭載された、写真上の不要なものをなぞるだけで一発削除し、AIが消した部分の背景を予測生成、違和感無く仕上げてくれるツールです。2024年のバージョンアップでさらに進化しました。
修復ブラシツールやコンテンツに応じる塗りつぶし等、不要なものを削除するツールはこれまでもありましたが、馴染ませる素材は既存の周囲のものから取り出していました。「削除ツール」はAIを使って生成することができるので、これまでの修復系ツールよりもより簡単に自然に仕上げられます。
使い方
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ツールバーから「削除ツール」を選択します。ボタンアイコンは、お馴染みの絆創膏マークがキラキラしているものになります。(無い場合は、下にあるこれ から呼び出します)
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元の画像に直接編集を加えずに残す事が出来ます。戻す可能性がある場合は、新規レイヤーを作成し、このレイヤーに新規レイヤーに処理をしていきます。
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背景レイヤーと新規レイヤー両方を削除対象にする為、オプションバーの、「全レイヤーを対象」にチェックを入れます。(対象物が一つなので、ここでは「各ストローク後に削除」もチェックします)
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消したいものをドラッグしてなぞっていきます。ブラシツールになっているので、「 [ 」と「 ] 」でブラシサイズを調節できます。大雑把に周囲を巻き込んでも大丈夫です。Photoshop 2024から、縁を囲むだけで中が自動で塗りつぶされるようになりました。
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囲み終わったら即座にAIが削除を実行します。背景も違和感無く作られています。
オブジェクト選択ツール+オブジェクトファインダーからのコンテンツに応じる
オブジェクト選択ツールとオブジェクトファインダーを使うことで、画像内の人物、動物、建物、植物等のオブジェクトまたは領域を、ワンクリックで自動的に選択可能になりました。これまではドラッグで囲む必要があったので、確実に時短です。
※レイヤーが複数ある場合やスマートオブジェクトには適用不可能になっていますので、注意してください。
使い方
オブジェクト選択ツールとオブジェクトファインダー
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ワークスペースのツールバーから、「オブジェクト選択ツール」を選択します。(無い場合は、下にあるこれ から呼び出します)
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オプションバーの、「オブジェクトファインダー」にチェックが入っているか確認します。
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画像内で選択するオブジェクトまたは領域にマウスポインターを合わせます。選択可能なものがピンク色でハイライト表示されるので、クリックします。
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選択範囲が反映されます。複数選択したい場合は、「Shift」+クリックを繰り返します。
コンテンツに応じるの実行
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選択が終わったら、[Shift]+[delete(Mac)またはbackspace(Win)]のショートカットを実行します。
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手動で調整しなくても、境界線が残ること無く綺麗に消えています。
影の認識は一緒にはしないかも
大変ありがたい、心躍るオブジェクト選択ツール+オブジェクトファインダーの選択範囲ですが、下記のような写真の場合、影は別認識になってしまうようです。
こういう時は、削除ツールでしっかり影まで囲んであげる方法の方が早そうです。
生成塗りつぶし
新しい生成AI機能「生成塗りつぶし」は、テキストで指示するだけでイメージに近い画像を作り出せます。無いものを生み出してくれるので、削除の修復表現のバリエーションが豊かになります。不足するものを部分的に追加したり、置き換えたりも簡単に出来ます。
※生成した画像は著作権に配慮したデータを使用しているので、商用利用にも使えます。
使い方
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ツールパネルから「なげなわツール」を選択し、消したいものをフリーハンドで大まかに囲み、選択範囲にします。
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コンテキストタスクバーから「生成塗りつぶし」を選択し、プロンプトは通常指示を入れますが、消すだけの場合は空白のまま「生成」をクリックします。
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少し処理を待つと、囲んだものが自然に削除されます。この時、プロパティに3つのバリエーションが生成されるので、イメージに近いものを選択します。3つの中に合致するものが無ければ、再度「生成」をクリックして、何度でも別の3つのバリエーションを出す事も出来ます。
状況によっては、意図しないものが生成される
複雑な写真をいとも簡単に修復してくれるのは素晴らしいのですが、消したいだけなのに、何か別のものが生まれてしまうこともあります。同じ写真で、今度は手前の方の自転車に同一処理を施そうとしたところ、生垣やら犬やら、何度試しても別のものが出てきてしまうのです。
こういう場合は、別の削除方法に転換した方が良さそうです。
最後に
Photoshopで不要なものを消す方法は、かなり何通りにも増えました。今回はその中の新しめの3ツールをご紹介しました。
場合によっては、自動生成されるものに違和感しか無いこともあるし、パーフェクトではない時もあるので、最適なツールを見極めるスキルと、繊細なところは人の手で仕上げをすることも引き続き必要です。このままAI頼みになっていくのかというと、そうでもないかもしれません。従来のツールも上手に使っていきたいですね。
以上、futaでした。