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2023.11.06

futa

Illustrator 2024 新機能紹介 ベクター生成AIとか 盛りだくさん

Illustrator 2024 新機能紹介 ベクター生成AIとか盛りだくさん

202310月、Illustrator2023から2024(28.0)にメジャーアップデートされました。今回は盛りだくさんです。

なんと言っても花形は、現時点ではBeta版という事ですが、ついに実装された大注目のベクター生成AI。これを使いこなす事で起こり得る時間短縮を想像すると、胸が滾ります!

こちらをメインに、筆者が試してみた注目の新機能をいくつか紹介したいと思います。

べクター生成(Beta)

プロパティパネルに「テキストからベクター生成(Beta)」という項目が新しく追加されています。これが、文字を入れるだけでAIがイラストを描いてくれる機能です。

ベクターで出力されるので編集が可能で、求めたイメージとうまく合致すれば、画期的な時間短縮が実現します。現時点(2023年11月)でベータ版でありながら、商用利用も認められています(※中国を除く)。

使い方

まず、サイズ指定の為の適当な四角形等のオブジェクトを作成し、選択しておきます。

「テキストからベクター生成(Beta)」のパネルの「プロンプト」にキーワード(描画したいもの、テイスト、色等)を入力して(画像内①)、右下の「生成」ボタンを押す(画像内②)と生成が開始されます。そして少し待つと、ベクトルで描画が完成します。

キーワード下の「バリエーション」(画像内③)に、このほかの候補が挙げられており、クリックで切り替えてイメージに一番近いものを選ぶ事が出来ます。

↑水彩風の花のイラストを要求してみました。不思議な感じはありますが、しっかり描いてくれています。

好みのものが出なければ、再生成もすぐ出来ます。

 

今度は、少し具体性を加えてみます。「水彩 コスモス ピンク」としてみました。すると・・・

img02

花びらが少し多いようですが(一般的に正確な枚数は8枚)、しっかりピンクのコスモスの水彩画風になりました!

Adobe公式によると、より効果を得るには、プロンプトは 3~8 語で、常にシンプルで直接的な言葉が良いそうです。

操作する限り日本語でも不具合は見られません。なんと100を超える言語に対応しているらしいです。

生成の種類

目的をより明確にする為に、グラフィックタイプが分かれています。プルダウンで下記の4つから選べるようになっています。

  • 被写体(背景無し
  • シーン(ベクターシーン全体
  • アイコン(背景無し・シンプル
  • パターン(塗り・線に適用)

パターンはしっかりシームレスになっており、スウォッチに追加可能です。今までのシームレス化の作業が自動になる。この時短エグいです。

試しに、同じプロンプトで生成の種類を切り替えて、4つをシリーズにさせてみました。ワードは読み方が2つある「紅葉(もみじ・こうよう)」で。どう判断してくれるのか。

グラフィックタイプ

↑左から、被写体→シーン→アイコン→パターンになります。もみじは無いので「こうよう」と判断したと思われます。メープルが多めでしょうか。

シリーズ使いをすれば、ブランディング等の叩き台に役立つかもしれませんね。

スタイルピッカー

特定のイメージが決まっていて揃えたい場合は、参照させてスタイルを近づける機能があります。

イメージ元にさせたい画像またはアートワークを配置し、「スタイルピッカー」を押します。その画像をクリックし「生成」を押下で、元のオブジェクトがテイストの近づいたデザインに変更されます。

img05

↑温泉とテイストのラフさが継承されているようです。同じプロンプトでも全く別のものになりました。

ディティール

イラストの複雑さを指定する事が出来ます。歯車マークをクリックするとメーターが出るので、シンプルにさせたい時は値を小さくし、精細にさせる場合は大きくします。スタイルピッカーとの合わせ技も出来ます。

先ほどの猫のイラストのディティールは少ない状態だったのですが、そこから値を上げてみました。

img06

もういっちょ。マンガ風のイラストをお願いすると、アメコミになる傾向があり、「日本」と追記しても、アメコミの和服の人物が出てきたりします。↓これは、アメコミだったものに更に日本のマンガタッチの調整をお願いしたイラストです。img04

モックアップ(Beta) 

Photoshopで合成機能を駆使してやっていたモックアップが、イラレで出来るようになりました。ロゴ等のベクター情報を生かして編集が出来ます。

使い方

初回のみインストールが必要です。はめ込みたいオブジェクト前面にして、背景にしたい画像と一緒に選択し、「オブジェクト」→「モックアップ(Beta)」→「作成」で取り込まれるので、あとは任意の場所にオブジェクトを置きます。

img06

画像に合わせてロゴの角度や傾斜が瞬時に変わります。曲面にも対応しています。手作業で大きさや回転を加えて調整が出来ます。面倒な作業が多い(しかもフォトショ)イメージでしたが、勝手にほぼやってくれるのは効率がかなり上がりますね。

パスのスムーズ

ペンツール・ブラシツールが苦手な方に朗報です。スムーズツールを使って、手書きでダサくなったラインを美しい曲線に変身させます。

やり方

img03

対象のパスを選択して、「オブジェクト」→「パス」→「スムーズ」から、スライドメーターを動かしてパーセントを増やし、ラインがスムーズになるよう調整します。

マウスで線を描画するとブレてしまうことも多いのですごく慎重になるのですが、これがあれば後でスムーズ化出来るから、ささっと割り切って次の作業に行けそうです。

オブジェクトにポイントが増えてしまった時の「パスの単純化」での輪郭調整や、従来ブラシツールで線を描いた場合はブラシツールオプションの「精度」で調節は可能だったのですが、中々イメージに辿り着くには道のりが長い傾向にありました。

 

Retype(Beta)

画像から似たフォントを探し出す機能です。アウトライン化されていても、本来情報の無くなったラスターデータの画像でも、自動で解析して類似フォントをAdobe Fontsから選べるようになりました。ただ現在は日本語フォントには未対応です。

 

その他の新機能情報については、Adobe公式サイトで詳しく紹介されています。

ベクター生成については、まだベータ版なのでこれからの発展がかなり楽しみです。求めるイメージが精細なほど、近づける為に何度もやり直しが必要にはなりますが、AIはいくら再提出を求めても、文句も言わず返してくれるのが良いですね(笑)。 

以上、futaでした。