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2024.07.01

futa

Photoshop 2024最新! AIで簡単! 足りない背景をのばす方法

Photoshop 2024最新! AIで簡単! 足りない背景をのばす方法

以前の記事にて、制作現場あるあるで「不要なものを削除」というテーマに触れましたが、それと同じくらい永遠のテーマと言えるのが、「足りない背景をのばす」ではないでしょうか。

被写体の上下左右どこかにロゴや文字を置きたい、でもアップの写真なので背景に充分なスペースが無い――。横長の写真を配置したいのに、縦長でトリミングもできない構図の画像が支給された――。

制作物のレイアウトが決まっていて、それ用に撮る写真なら、あらかじめカメラマンに被写体に対して背景を広めにするよう考慮してもらえますが、そうもいかない場合は、Photoshopの出番です。

背景がシンプルであれば、同じ色をぼかしながら塗りつぶしてのばして…という比較的軽めの対応で済み、ベテラン級のテクニックも求められません。既に有るモノを削除するより、何も無いところに無いモノを作り出す方が何倍も難しいと思います。。。

なので背景が複雑であれば、写真を撮り直した方が良い場合も…。しかし最近では、「コンテンツに応じた塗りつぶし」機能が誕生してから余白埋めが時短化、更にPhotoshop 2024にAIが組み込まれ、素材無しでも複雑な背景を生成できるようになったので、兎にも角にもPhotoshopに頼ってみましょう。新しくて使用頻度の高いやり方を、ピックアップしてご紹介します。

※レイヤーが複数ある場合やスマートオブジェクトには適用不可能になっています。

1. 切り抜きツール+コンテンツに応じた塗りつぶし

「コンテンツに応じた塗りつぶし」は、繋ぎ目なども自然にしながら、周囲の画像と同じようなテイストで塗りつぶして、背景をのばしてくれます。馴染ませる素材は既存の周囲のものから取り出します。

画像サイズを広げると同時に、即座に結果を自動で出してくれます。例では、人物をセンターにして正方形の写真になるように空を広げてみます。よく見ると水平線が斜めですね。同時に傾きも直していきます。

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使い方

  1. ツールバーから「切り抜きツール」を選択します。(無い場合は、下にあるこれ から呼び出します)

  2. フォトショ画面上部に、「塗り」という項目が出るので、下矢印から「コンテンツに応じた塗りつぶし」を選びます。

  3. 画像の周りに現れたガイドを触って、広げたいところまでドラッグします。ここでは、人物がセンターで正方形の写真になるように右上へ広げました。

  4. 必要な場合は、写真の傾きもドラッグで修正します。ガイドの格子線が出てきますので、水平線を合わせるだけです。

  5. Enterを押すか、上部の「◯」をクリックで寸法を確定します。瞬時に、右上の何も無い領域と傾き修正によってできた余白に背景が描かれました! 自然で境目もわからないですね。

2. コンテンツに応じた塗りつぶし

選択範囲として指定したところに、繋ぎ目なども自然にしながら、自動で背景をのばしてくれます。馴染ませる素材は既存の周囲のものから取り出しているので、自動で綺麗に仕上がればそれで完結できますが、設定をカスタムしたり、細かいところを手直しできます。自動だと納得できる結果が得られない場合に有効です。

使い方

  1. まずは、背景を伸ばすために画像サイズの変更をします。メニューバーの「イメージ」から「カンバスサイズ」を選択し、横幅と縦幅を広げる為の任意の数値を入力し、基準位置も設定します。前述の、切り抜きツールでドラッグしてもサイズを変更できます。※塗りは、「透明(デフォルト)」を選択しておきます。

  2. 透明の余白ができるので、自動選択ツールでクリックし選択範囲にします。1.の時よりも、右端を多めに指定しました。

  3. メニューバーの「編集」から「コンテンツに応じた塗りつぶし」を選び実行します。左に元画像、右に塗りつぶしプレビューが出てきます。1.の場合も今回も、余白部分が大きめだと、既存の隣接部分をサンプリングして塗りつぶす為、余計なものも引っ張ってきたり、不自然な結果になりやすくなります。概ね問題無いのですが、周囲にある近しいエリアをコピーしているので、右端に柵が不自然に立っていて要らないですね。

  4. 左画面の緑のエリアが、余白を伸ばす際にコピー対象となったところです。有るべきではないものが出てしまった場合は、画面左上にある①サンプリングブラシツール→②マイナスボタン(オーバーレイ領域から一部を削除する)を使用していきます。右にあるパネルから、塗りつぶしの設定を変え得ることもできます。

  5. サンプリングブラシツールでコピーしたくないところを除外していき、OKボタンを押せば完成です。

ごまかしの効かなそうなところは、更にコピースタンプツールで手直しをして、違和感のあるところを手作業で自然に仕上げていくと良いです。

3. 生成拡張

生成AI機能はPhotoshop 2024で搭載された最新機能です。素材によりますが、これまで敬遠されがちだった複雑な背景でも、テキストで指示するだけでイメージに近い結果が得られます無いものを生み出してくれるので、AIが生成する為の待ち時間が発生しますが、それでも最速で理想の仕上がりになる可能性が高いです。

※生成した画像は著作権に配慮したデータを使用しているので、商用利用にも使えます。

使い方

  1. ツールバーから「切り抜きツール」を選択します。(無い場合は、下にあるこれ から呼び出します)

  2. フォトショ画面上部に、「塗り」という項目が出るので、下矢印から「生成拡張」を選びます。

  3. 画像の周りに現れたガイドを触って、広げたいところまでドラッグします。[Shift]+[option]を押しながらドラッグすれば、上下左右均等に広げられます。被写体であるカバの足が切れていますが大丈夫でしょうか…。

  4. Enterを押すか、上部の「◯」をクリックで寸法を確定します。生成中というダイアログボックスが出て、しばらくAIが考える時間があります。
  5. プロパティパネルに、バリエーションとして3つ提案されますので、良いと思ったものを選びます。バリエーションの上にある「生成」ボタンを押せば、何回でもやり直ししてもらえます。3つ目のものを選びましたが、水中や底の背景はもちろん、足もまあまあそれらしく生成されています。
  6. プロンプトに背景について追加指示を出すこともできます。「背景 奥にカバ」といれてみたところ、左のうっすら見えていたカバに頭が付けられ、左には新しいカバのお尻が現れました。皆で水中を舞っているよう。いいですね。

背景のみならず、切れている被写体ものばせる

主要なものの隅っこがはみ出して写っていない場合でも、背景をのばして引きで撮ったようにするのも、生成AIならボタンを押すだけです。

↑フォトショで鳥居の写っていないところを描けと言われてもなかなか厳しいのですが…。AIが鳥居というものを想像して作ってくれ、左右に木も生え、予想以上に完成度が高い結果となりました。

↑一部の猫のお顔やお耳が写っていないのですが…。背景をのばしたところ、ちゃんと可愛いお顔やお耳が! ※何度か出し直ししています(汗)

最後に

Photoshopで背景をのばす方法は、他にもいくつかありますが、今回はその中の新しくて便利な3ツールをご紹介しました。

「1.切り抜きツール+コンテンツに応じた塗りつぶし」は、空や海等、あまり大きすぎない範囲でシンプルな背景をのばす場合に一発で簡単なのでおすすめです。

「2. コンテンツに応じた塗りつぶし」は、多少複雑な背景でも自動と手作業での調整どちらも行う場合に有効です。

「3. 生成拡張」は、かなり広範囲の場合や複雑な内容の背景をのばしたい場合に強いです。

最新のAIだと、背景をのばすのが難しいものもどんどん生成してくれるので、使いたいのに諦めていた写真があったら、試してみたくなりますね。

ただ、やはり自動生成されるものには納得できないものしか出ない場合もあるし、結局はコピースタンプツール等で手作業で仕上げるということもありそうです。最後は人の手で納得いく結果に導いていきたいですね。前回も述べたように、最適なツールを見極めるスキルと、繊細なところは人の手で仕上げをすることも引き続き必要です。

以上、futaでした。