2021.12.06
Illustrator 文字の上㆘中央揃えがずれる 解決方法まとめ
こんにちは。Maromaroのfutaです。
IllustratorとPhotoshop。どちらもデザインツールとして重宝していますが、同じものを作りたいのに同じやり方をしても結果が違う…なんて事、たまにありませんか?
Illustratorが使い慣れている人、Photoshopに慣れている人、お困りポイントがそれぞれあると思いますが、今回は、WEBでもグラフィックでもよく使う、テキスト背面に囲み(座布団)を敷く方法についてです。
整列パネルの中央揃えでOKと思いきや、イラレだと…
PhotoshopやXDでは、なんてこと無いです。適当な位置で文字と長方形ツール等で作成して、初心者だってご存知の「整列」機能を使って、ポン! と帯の天地中央に文字が配置されたデザインが簡単に出来てしまいます。
では、Illustratorではどうなるかというと、結果が変わってきます。同じように「整列パネル」で垂直方向中央揃えと水平方向中央揃えのボタンを1回ずつ押して…。しかし、どうなるかというと、水平方向はセンターに揃いましたが、垂直が上手くいきません。ただ中央に文字を配置したいだけなのに…。
使えないなイラレ…などと言ってここで、矢印キーを連打して、テキストを手動で中央揃えにしても良いのですが、せっかく便利な機能がIllustratorにも備わっていますので、ご紹介します。
なぜIllustratorだけずれる?
先ほど述べた垂直方向中央揃えボタンが効かないという事の原因ですが、実はIllustrator(CS以降?)では、文字の認識領域が字面(じづら)となるPhotoshop等と異なっていて、主に欧文の小文字でベースラインより下(ディセンダ)にはみ出した「g」や「j」等の為の領域も常にテキストとして認識され(その文字が有ろうが無かろうが)、バウンディングボックスは和文のみだと変に下部が空いた見た目になります。これに対して中央揃えを行う為、テキストオブジェクトが上にずれてしまうのです。
↓欧文にディセンダを使う文字が入っていると、垂直方向中央揃えを実行するだけでしっくりくる
アウトライン化は待って! きちんと配置する方法
強行突破としてテキストのアウトライン化をしてしまえば、この余計な領域は消えるのですが、文字編集が不可になるので業務目線ではお勧めできません。そこで、文字編集が可能なままキチッと配置する方法がIllustratorにはいくつかありますので、是非お試しいただきたいと思います。
PhotoshopやXDでは、簡単に上下中央配置ができましたが、修正が入って文字数が増減したり1行が2行になったりする度に、敷いている図形の手作業での修正が発生するというデメリットがあります。上下が一発で中央揃えにならなかったものの、Illustratorでは文字の修正時に背面のフレームが自動変形してくれる便利な方法もあります。
↓通常のアウトライン方法についてはこちらで紹介しています
アピアランスとプレビュー境界で
- テキストオブジェクトを選択して、メニューバーから「効果」→「パス」 →「オブジェクトのアウトライン」をクリックします。
このアウトラインは先に述べたものとは別のアウトライン処理です。コチラはアピアランス機能になりますので、アウトライン化されたような見た目になるだけで、非表示に切り替えれば無効になり、引き続き文字の編集が可能です。 - そして、「整列」パネルのメニューから、「プレビュー境界を使用」をクリックもお忘れなく。
上記により、整列を実行でしっかりと上下のアキが揃って真ん中にすることができました!
移動ツールで手入力
ベテランイラレユーザーならコチラが慣れているかも。今となっては入力作業が多くアナログ的な印象ですが(汗)。
- テキストと背面オブジェクトを整列パネルで「垂直方向上に整列」で上揃えにする。
- テキストを手動で下揃えの位置までShiftを押しながらドラッグ。
- (選択ツールになっている事を確認し)Enterキーを押下→「移動」パネルを表示する。
- ドラッグした垂直方向の距離が記憶されているので、その半分だけマイナスして(-【ドラッグ移動した距離】/2)入力してOKボタンをおす。
エリア内文字の設定で(NEW!)
こういった文字の調整はやはりInDesignがずば抜けて優れています。そんな中、Illustratorでもver.24(2020年)でやっとエリア内文字の垂直の位置指定ができるようになりました(InDesignではずーっと当たり前)。
- 文字ツールでテキストボックスを作成し、文字を入れる。
- メニューバーから「書式」→「エリア内文字オプション」を開く。
- 行やオフセットを設定し、「テキストの配置」の配置を「中央揃え」にしてOKを押す。
- ダイレクト選択ツールでテキストボックスだけを選択して、角や塗りと線を編集。
↑テキストボックス1つで、装飾のある見出しが作れる
アピアランスだけで済ませる
アピアランス機能を使ってテキストオブジェクトのみで完結する事が出来ます。
- 「アピアランス」パネルで塗りを2つ追加。
- 下の塗りを選択して「新規効果を追加」ボタン→「形状に変換」→「長方形」を適用する。
- 形状オプションダイアログが開いたら、「幅に追加」と「高さに追加」で帯のサイズを調整して「OK」を押し、長方形の帯を確定する。
- 前述と同じ様に、メニューから「効果」→「パス」 →「オブジェクトのアウトライン」をクリック→一番上の効果になる様にドラッグする。
アピアランス機能って本当に便利です。長方形オブジェクトを作らなくても、しっかりと文字に帯が出来ました。角丸長方形、楕円形も選べますのでお試し下さい。
そしてこれの凄いところは、文字が増減しようが改行しようが自動で背景(帯)がついて来てくれる(変形してくれる)という点です。修正が多い時に助かりますね。
以上が、Illustratorで使える、きちんと天地左右が中央揃えになる囲み系文字の作り方でした。色々使い分けてみてください!
Maromaroのfutaでした。