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2023.07.10

futa

AdobeFontsの使い方 全部無料!? WEBフォントのライセンスの注意点も

Adobe Fontsの使い方 全部無料!? WEBフォントのライセンスの注意点も

世の中には様々なフォントが溢れていて、印刷物にも画面にも、そこに文字があれば必ずフォントがあります。

フォントは、私たちのような仕事にとっては、デザインの第一印象や品質を左右させる、制作における重要な要素ですが、その種類は年々多様化しているように思います。

その中でもAdobe Fontsは、150を超えるフォントメーカーが作成した20,000以上に及ぶフォントライブラリで、Adobe Creative Cloudユーザーにもれなく提供されるサービスとなっており、プロ仕様のフォントは個人利用はもちろん、商用利用にもライセンスされ、自由度とクオリティの高い制作活動に大いに役立ってくれます。

Adobe Fontsについて

本当に無料? 商用利用はOK

AdobeIDを持っていれば、無料会員でも多くのフォントを追加料金無しで利用できます(数に制限あり)。有料サブスクリプション会員であれば、使えるフォント数は無制限になり、販売元が本来有償で提供しているフォントであっても無料で利用可能となります。

商用利用のライセンスは、全てのフォントに付与されています。自由度は高く、ロゴの商標登録や著作権保護もOK、販売用の商品にも使えるのでかなり寛容と言えます。WEBフォントについては、業務で使用する場合に注意点があります。(詳しくは下の「WEBフォントの商用利用はライセンスの注意が必要」で述べます)

フォントライセンスについて詳しくは公式ページをご覧下さい。

有名フォントメーカーの主要フォントが揃っている

Adobe Fontsサイトより

日本語のフォントも約500と充実しており、モリサワ、大日本印刷、フォントワークスを初めとした有名フォントメーカーの協力のもとプロ仕様の精鋭達が集まっています。Adobe Fonts日本語フォントリストはこちらからご覧いただけます。

従来、使いたいフォントが複数でメーカーが異なる場合は、メーカー毎に購入またはライセンス契約が必要で、プランも規約も様々…なのですが、Adobe Fontsには多様なメーカーから発売されている代表的なフォントが入っていて、それらの規約はAdobeに例外無く準じます。Adobe Fontsの強みはここだと思いませんか? 舐めまわすように多数のメーカーのフォントを利用してもライセンスが1つあれば無料・無制限なんです。

ただ、各メーカーからAdobeに提供されているフォントは一部に限定されていて、フォントのラインナップの変更も度々あるので、多数の種類を継続的に使う場合は、Adobe Fontsではなく販売元メーカーと契約した方が良いケースもあるかもしれません。

AdobeFontsの使い方手順

従来のフォントサービスでは、使用したいフォントはあらかじめPC等のデバイスにインストールしておく必要がありましたが、Adobe Fontsはアプリやウェブから簡単にアクティベート(追加)できます。※ネット環境とCreativeCloudデスクトップアプリのログインが必要です。

CreativeCloudデスクトップアプリから

CreativeCloudデスクトップアプリの上段右上にある「f」のアイコンをクリックします。

IllustratorやPhotoshopから

IllustratorInDesignでは、「文字」パネルのフォントのプルダウンを表示させると、直接アクティベートできます。「さらに検索」を押すと、未アクティベートのフォントリストが表示されます。

Photoshopでは、「文字」パネルのフォントのプルダウンを表示させ、「Adobe Fontsから追加」の右のアイコンをクリックするとフォント検索ウィンドウが開きます。


アクティベート方法

AdobeFontsの一覧画面で、自分の欲しいフォントが決まっている場合は左サイドにあるフィルターを使い絞っていきます。フォント一覧を見たい場合は「表示」をリストにして見ます。

使いたいフォントを見つけたら、「ファミリーを表示」を押下して、フォント詳細画面へ。右上の「アクティベート」をクリック。するとバー部分が青に変わりON状態になります。これでフォントのアクティベートの完了です。 面倒なダウンロード等の手作業は一切不要ですね!

 

Webフォントにも利用できる

AdobeFontsWebページのフォントとしても利用できます。

使いたいフォントの「</>」のアイコンをクリックします。Webプロジェクト名を求められるので入力し、「作成(またはCreate)」をクリックします。

すると、HTMLhead内に記載するコードと、CSSコードが生成されるので、それぞれをHTMLCSSにコピー&ペーストして使用開始となります。

WEBフォントの商用利用はライセンスの注意が必要

AdobeのWEBフォントのライセンスは、Adobeユーザーに限られています。Adobeユーザー自身のWEBサイトの商用利用なら無料・無制限で問題はありませんが、制作会社が顧客のWEBサイト制作を受託するようなケースでは、顧客もAdobe CCのライセンス契約をしていないと違反になってしまうので注意しましょう。

つまり、お客様のAdobe IDで発行したコードでなければ、Webフォントとして使用できないのです。WEBフォントのコードを発行する前に、Adobe IDの所持について顧客に確認をとっておきましょう。

もしもAdobeユーザーでなかった場合は、Adobe IDの作成とそのIDでコードの発行をしてもらいます。有料メンバー向けフォントを利用する場合がほとんどだと思いますので、Creative Cloudの最も安いプランを提案すると良いでしょう。InCopyが月額638円〜(20237月現在)で契約可能です。

Web フォントを顧客の web サイトに使用することはできますか?

利用条件では、20191231日以降の再販は許可されていません。それ以降にフォントライセンスやwebフォントホスティングが中断されないようにするには、クライアントの web サイトは、独自のCreative CloudサブスクリプションからAdobe Fontsを読み込む必要があります。

↑Adobe公式サイトより

一旦コードを自分で発行して使ってしまったとしても、後から顧客用に更新することもできますので、安心して下さい。

Web プロジェクトをアカウントからクライアントに移動する方法を教えてください。

以下を実行できます。

新しいサブスクリプションで同じ web プロジェクトを設定し、新しいwebプロジェクトIDを使用するようにwebサイトの埋め込みコードを更新するか、または

このページの「アドビカスタマーサポートへのお問い合わせ」リンクを使用して、既存のwebプロジェクトをクライアントのアカウントに移行することについてサポートチームにお問い合わせください。

↑Adobe公式サイトより

画像化なら問題無し 

ちなみに、同じ状況でもフォントをsvgやpng等の画像化してある場合は違反にはなりません。飽くまでデバイスフォントのような編集可能なテキストに対してWEBフォントを適用する場合のみNGなのです。大見出しや画像上の書体に変化を持たせたいだけであれば、画像で処理しておくのがベターです(数が多いと大変ですが)。画像になっていれば、顧客のサイトにいくらでもAdobeフォントを使用してもらって構いません。

 

Adobeフォントは様々なシーンで利用されるプロクオリティのフォントを無料で簡単に導入できる、魅力的なサービスです。私たちのようなデザイナーや制作会社は、お客様のサイトを作る事が大半でしょうから、WEBフォントの使用についてはライセンス違反の無いよう、先述の事を頭に入れておくようにしましょう。

 

以上、futaでした。