2020.01.14
Illustrator 2020 新機能とかドキュメントバージョンとか
こんにちは、futaです。
昨年11月のAdobe 2020のリリースから2カ月ほど経ちましたが、もう利用しましたか?
私は昔からの習慣でしばらく様子を見てから、年末にアップデートしました。入稿先が2019以下を指定してくる(印刷業界は特にそうですね)場合もあるし、特にIllusutratorはPhotoshopより保存のバージョンにシビアなので(下位バージョンで開くとすぐ警告が出たり開けなかったりする)。
少し遅くはありますが、新機能のピックアップ、感想、気になった点などを述べてみたいと思います(視点が少しだけマニアック?)。
Illusutrator 2020の新機能
パスの自動単純化
トレースが苦手な人がトレースしたデータや、画像をイラレで自動ベクター化した時など、アンカーポイントの多さが気になったことはありませんか?
これはデータ量が無駄に増えて重くなる原因のひとつです。パスの単純化自体は相当前のバージョンからありましたが、意図通りにならないこともあり精度は惜しい印象でした。
今回、自動単純化が選べるようになり、手動でパランスの設定を何度もしなくても、思い描いたものに近いパス表現が簡単にできるようになりました。
自動スペルチェック
スペルチェック機能自体は前バージョンにもありましたが、自動設定ができるようになりました。タイピング時にすぐ間違いに気づけるので、手打ちした単語が間違っているのにスルーしてうっかり提出、というのは避けられそうですね。
でもこれ、文頭の文字が大文字かもチェックしてくれるので、箇条書きなどでアルファベットを小文字で1文字だけ置いた時、単語を全小文字でデザインした時なども、赤い下線で強調表示されます。常にオンだと制作物によっては煩わしいかもしれません。現状、日本語は非対応なので今後に期待です。
バックグラウンドでの保存と書き出し
保存、書き出し操作をバックグラウンドで行えるようになりました。保存ボタンを押してメーターがいっぱいになるのをじっと待ってからでなくても、イラレ作業ができるんです! まあ、待っている間はドリンクを飲むタイミングにちょうど良かったですけどね(笑)。
保存コマンド直後に閉じるコマンドを押す癖があり、すぐこんなアラートが出ていたのが煩わしかったのですが、これも無くなってくれたかな?と期待していたところ、これは変わらずなようです。
ここまでは、公式サイトで発表されているメインの新機能です。その他にもフリーグラデーションのサポートなど、強化された機能はまだありますので、気になった方はAdobe公式サイトをご確認下さい。
その他、気になった変更点。とても些細なことですが…
以下は、あまりメジャーではない、使用中に気づいて個人的には衝撃の大きかった変更点です。
ドキュメントのバージョンが新しく追加
新しい Adobe Illustratorおよび Illustrator EPSドキュメントは、最新の Illustrator 2020 形式(バージョン 24.0)で保存されます。
…ってあれ? もうずっとCC形式だったのに、ここで?? じゃあ、バージョン2021になったらまた選択肢増えるの?
かつて、Mac OSではFinder上で「情報」ウィンドウを開くことによってIllusutratorデータの保存バージョンと作成バージョンが表示され、バージョン違いでエラーが出た時など即座に確認できるので重宝していましたが、現在はそれがありません。CCが発表されてから8年、ドキュメントバージョンIllustrator CC(レガシー)が長く続いたからか、需要が減り割愛されてしまったのでしょうか。新いドキュメントバージョンが追加された今、どうやってバージョンを知れば良い??
Illustratorのファイルのバージョンを確認する方法
- 保存バージョン…保存した時のIllustratorバージョン
- 作成バージョン…新規作成時のIllustratorバージョン
Adobe Bridgeでは現在も、かろうじて作成バージョンは表示してくれるようです(「ファイルプロパティ」の「アプリケーション」にて)。保存バージョンはというと、調べたところ、Illustratorファイルをテキストエディタなどで開いて特定の箇所(%%Creator:)を検索すると見られます。Macだと、そのためのアプリが開発されています。
とにかく、個人的には一番意外でびっくりしたのはこの項目でした。複数のバージョンで管理している現場は、互換性の問題がまた追加されたことになるので気になりますね。
カーニングの設定項目「自動」が「メトリクス」に名称変更!
ボッティチェリのヴィーナスからIllustratorを使っていますが(厳密にいうと8.0です)、ずっとそこにあって変わらなかった、「自動」という名の文字間隔自動調節モード。片や、同じ性質を持ちながらもInDesignと共に初登場した「メトリクス」。いつの間にかPhotoshopにもこの名前で導入されていましたが、頑なにIllustratorでは古き良き「自動」でした。
しかしついに、Illustrator 2020でカーニングの選択肢、「自動」が消え「メトリクス」になっています。全然待ちわびてもいませんでしたが、名称を他と統一したんですね。「自動」も意味がわかりやすくてよかったんですけどね。初心者の方が迷いますからね。
アプリケーション名も、CCが無くなってIllustrator 2020になっていますね。
大々的な新機能は特に無かったものの、水面下では大きな改革が行われている気もした今回のバージョンアップ。iPad用アプリが開発中というのが関係しているかもしれないですね。とにかく期待が高まります!
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