東京都府中市、渋谷区のWEB制作会社Maromaroのブログです

2021.08.23

futa

「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」とPhotoshopで出たら

「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」とPhotoshopで出たら

PCのリソースを大量に使用するPhotoshop。メモリはしっかり積んでいても、内蔵SSD(またはHDD)の空き容量が少なくなってくると、「仮想記憶ディスクの空き容量がありません」とエラーが表示されてしまう事があります。ファイルを開く時や保存するのタイミングで急に出てきて、いきなり作業が出来なくなります。焦ります。

エラー画面

とにかく保存を終わらせたい

保存したいのに、この表示が出ると保存が続行不可能になります。
内蔵ドライブ以外のストレージを持っていない場合、緊急処置として有効なのは、少しでも今使っているストレージの空き容量を増やす事です。

他に開いているPSDがあったら閉じます。立ち上がっているアプリケーションをPhotoshop以外は可能な限り終了させましょう。ダウンロードフォルダのデータ等、思い当たる不要なファイルは削除し、もちろんゴミ箱は空に
これでしばらく待ってから保存を実行すると、完了できる場合があります。

しかし、不要ファイルやアプリを削除しても、それほど容量が減らず、解決出来ないこともあると思います。
あのアラートがまた出ないように、やれることをやっておきましょう。

パフォーマンス環境設定

Photoshopでのパフォーマンスに関する設定値をデフォルトから最適なものに調整します。Adobeのトラブルシューティングに掲載されていたものの一部を紹介します。

自動復元の保存を無効にする

復元情報の自動保存を無効にすることで、Photoshopの一時ファイル(仮想記憶)のサイズ縮小が可能です。
※注意 PSDデータの自動復元が出来なくなるリスクがあります。

やり方

「編集(Win)」または「Photoshop(Mac)」→「環境設定」→「ファイル管理」から、「復元情報を次の間隔で自動保存」のチェックを外します。

自動復元の保存を無効にする

ヒストリーを制限する

作業を遡れる機能ヒストリー。Photoshopでは、最大1,000のヒストリーを保存できます(デフォルト数は50)。やり直したい時にとても助かる機能ですが、仮想ディスクの容量を大幅に使うので、この保存数を減らす事でパフォーマンスを向上させます。

やり方

「編集(Win)」または 「Photoshop(Mac)」→「環境設定」→「パフォーマンス」から、「ヒストリー&キャッシュ」セクションの「ヒストリー数」の値を小さくします。

ヒストリーを制限する
↑画像ではデフォルトの半分の25に設定。

根本的解決には、ストレージ増設がベスト

仮想記憶ディスクとは、Photoshopが実行中に作った一時ファイル(ドキュメントの一部や、マシンのメモリまたはRAMに収まらないヒストリー等)を保存するドライブの事です。

Photoshopは、初期設定ではOSがインストールされているストレージ(OS起動用ディスク)が仮想記憶ディスクに設定されています。

筆者はMacBook Proを使用していますが、デザイン業務で使われるデータは容量が大きい事もあって、標準250GBのストレージはすぐ埋まるだろうとは思っていました。
大きいけれど捨てられないデータは、早めにクラウドや共有サーバーにアップロードはしていますが、それでも手元に置いておきたいよく使うデータも多く、なかなか大幅には減りませんでした。
(ただ筆者の場合はシステムファイルが最大容量を占めているので、初期化をすればストレージの空きが大幅に増える可能性があります。が、今回は置いておきます)

ストレージ空き容量
↑こちらの表示で空き容量50GB以上あっても、作業中に突然足りませんと言われますからね。

ノートに内蔵のストレージは現在SSDが主流ですが、OSの起動用SSDは、HDDの頃と比べて容量が少なく、他のアプリケーションやシステムファイル等で、結構すぐに容量が圧迫されやすいです。バックアップも兼ねて別のストレージを増やせば、仮想記憶ディスクを増やしてエラーの出ない安定した作業をする事が出来るのでオススメです。
既にバックアップディスク等を持っていて、空き容量が起動用ディスクより多くある場合は、すぐに設定をしましょう。

ただし、転送速度に気をつける必要があります。
筆者はMacノートなので、増設は外付けの一択でした。外付けの場合、推奨されているのはUSB3.0以上の転送速度(Adobeヘルプ&サポートページ「仮想記憶ディスクのセットアップ」より)になりますので、新しく購入する方は製品仕様を必ずご確認下さい。

SSDが速い! オススメです

持ち運びのリスクやデータ書き込み時の効率、耐久性を考えると、やはりHDDよりSSDが良さそうです。
ロジテックの小型軽量ポータブルSSDシリーズMac最適化モデルも有ります)は、書き込み速度はHDDの約4倍、転送速度はUSB2.0の約10倍、消費電力はHDDの約半分と謳われています。USB3.2 Gen1(USB3.0)対応のType-Aケーブルに加えて、Type-Cケーブルの2種類のUSBケーブルが付属していて、Macでもアダプタ不要ですぐに使えて便利なので、筆者はこれを使い始めました。

ポータブルドライブサイズ比較
↑ロジテックのSSDは中央。右のApple純正マウスを比較対象にしていただければと思います。以前買ったポータブルHDD(BUFFALO・左)も使っていて大きすぎる事はなかったですが、比べると段違いに小さい・薄い・軽いのでびっくりしますね。加えて速いですし。

↓昔の記事「HDD(ハードディスク)をSSDに変えたらPCの速度が爆速になった話」で、SSDのメリットについて紹介されています。

仮想記憶ディスクの設定方法

別のストレージが用意出来たら、下記の設定をするだけです。


↑画像(Macの場合)のように、「編集(Win)」または 「Photoshop(Mac)」→「環境設定」→「仮想記憶ディスク」で仮想記憶ディスクの設定ダイアログを表示します。
※ Ctrl + Alt キー(Windows)または Cmd + Option キー(macOS)を押しながらアプリを起動した場合も、同じダイアログが開きます。

有効なストレージがリストに表示されるので、新しく解放する仮想記憶ディスクを選択します。最も空き容量の大きい最速のドライブが望ましいです。
引き続き、デフォルトのストレージも選択したままに出来ます。外付けSSDを抜いたり挿したりしても、設定は初期化されないようなので、状況によって仮想記憶ディスクを使い分ける事も出来そうです。

仮想記憶ディスク設定画面

設定後は、起動ディスクの空きがあろうが少なかろうが、あのアラートは出ず、起動も読み込みも速くなりました!

以上、Maromaroのfutaでした。